物質は、原子から出来ており、多くは室温で固体です。固体物質の形状は原子の並び方によってきまりますが、その物理的および化学的性質(物性)は物質中の電子によって決まります。
固体物質の主な性質(以下物性とよびます)を下の表に示します。これら性質は現在自由電子理論をもとに説明されており、右欄に示す電子がその原因とされております。
| 物性 |
関与する電子 |
| 構造的性質(結晶形など) |
化学結合電子、伝導電子 |
| 電気的性質(伝導度など) |
伝導電子 |
| 光学的性質(光の発光および吸収など) |
伝導電子 |
| 磁気的性質(強磁性など) |
化学結合電子、伝導電子以外の電子 |
物性を明らかにするには、まず、物性に関与する電子を発生する源と思われる原子、化学結合を知る必要があります。
次に、固体物質としての最小サイズを考え、物質を形づくる原子および化学結合特性から、伝導電子および化学結合電子の特性、最後に物性を推定していくこととなります。一方、実際の多くの機能物質の開発はこの方法を採用していません。なぜ、多くの開発はこの方法を採用しないのか、その理由は簡単です。固体物質中の電子の性質は、簡単に推定できないからです。このホームページで、その原因を明らかにし、どのようにしたら物性予測が可能となるのかについて、化学結合および伝導電子の発生機構原理に立ち返って述べます。
まず、物質とは何か、物性を推定いくに際しての基本的な事柄を述べます。次に、物質を形づくる構成原子、化学結合、物性をのべます。
基本的事柄に関しては次の2点が重要です。
原子に関する項では、これまでの知識に加えて原子軌道に関する新たな定義(スピン)を紹介します。この定義は中性原子の電子配置の決定を容易とし、物質の構成要素としての見通しを立て易くします。また、Pauliの排他原理およびFuntの規則がなぜ成り立つのかについて、物理的現象から述べます。
化学結合に関する項では、新たな化学結合理論(拡張原子価電子結合理論)をのべます。共有結合、イオン結合、および、これまで不明とされてきた金属結合生成機構、イオン結合生成機構および伝導電子の発生消滅などが、この理論から導かれます。ここから、物質の化学ポテンシャルなどが、自由電子論的観点とは異なった構成原子の観点から導かれます(拡張原子価電子結合)。
物性は物質中の電子構造(化学結合電子および伝導電子が物質内でどのように分布しているか)が深く関係します。このセクションの最後に、物性が構成原子および化学結合からどのように見えるかについてのべます(分子結晶および電子構造)。
1.3拡張原子価電子結合について
1.4量子化学解釈
1.4.1分子軌道(1)
1.4.2分子軌道(2)
1.4.2.12原子分子軌道(2)
1.4.2.2多原子分子軌道(2)
1.4.3化学結合
1.5分子および結晶
1.6電子構造(エネルギーバンド構造を含む)