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食塩を対象とします。ナトリウム原子から放出される電子は、正電荷特性をもつ塩素のp軌道に入り、塩素原子の占有軌道と電子対をつくります。ここでの電子対をつくる過程では相手のナトリウムs軌道と占有p軌道とは重なり合わさるはずです。この重なりは対象電子対の軌道エネルギー準位を下げる(電子電子反発エネルギー(Na-Cl)が電子電子反発エネルギー(Cl-Cl)より小さい)。塩素のもつ有効核電荷からいえる塩素の安定性を保つため、電子対対象となっているp軌道(Na-Cl)以外に安定性で劣るエネルギー準位の高い軌道にいる電子が外部に放出される傾向が出てきます。換言すると、電子対対象のp軌道に対して位相的に交わらない軌道の電子対(px軌道が結合に関与すると仮定するとpy,pz軌道上の電子対)が解除される傾向をもつ。この解除されるp軌道電子対の1個は、他の原子、例えばナトリウム、の未占有p軌道へ電子移動します(s軌道は正電荷特性をもちません。電子移動対象の軌道として未占有p軌道があげられます)。残り電子をもつ占有軌道が電子対の対象となります。この過程は構造的に考えられる4種の位相の異なるsp軌道に影響をおよぼし、順次結合先を変えていきます。以上の理由から、イオン結合のみから構成される物質は分子としては生成されない、といえます。

| 陰イオンの原子半径は、相手方未占有軌道が必須で、占有軌道のみから推定した半径と比べてかなり大きい。 |
| 陽イオンの原子半径は、未占有軌道を無視した場合、占有軌道のみから推定した半径と比べてかなり小さい。 |
| イオン結合は未占有軌道電子を含む。 |
| 一方の原子に電子対を作る。 |
余談:出版されているどの表を見ても、陰イオン原子半径は大きく陽イオン半径は小さく示されています。でも、陰イオン原子に入った電子は占有軌道と同じ種類です。にもかかわらず、陰イオン原子半径は中性原子の原子半径より大きい。不思議だと思いませんか?イオン結合はこれまで陰イオンと陽イオンとの間に働く静電引力から生じると説明されています。でも普通+−の電極を接続したら電気が流れてそれでお終いで、静電引力が永遠に続くものではありません。どうして原子の件となると納得してしまうのでしょう?小生もその一人です。原子の量子力学となると途端に難しくなり、情報量がすくないので判断しようがなかったというのがその理由かもしれません。 塩結晶は+−イオンが交互に配列する結晶であると、世の中ではいっています。実際の結晶はこのように綺麗に並んだ配列をとっていません。どうして?世の中では、陰イオンおよび陽イオン原子のイオン半径が異なるために、かならずしも綺麗に充填されるとはかぎらないといっています。上でのべた話によれば、電子を受け取る原子は陽イオンに限定されません。したがって、きれいに並びようがありません。 いや陰イオンとなる中性原子の電子の受け取りやすさを考慮するとむしろ綺麗に並ぶほうがおかしいのです。イオン半径の違いで説明するなんてとんでもないのです。
イオン結合から構成される物質は結晶構造をとる。 水溶媒中にイオン結晶を入れた場合、水は正電荷領域をもつ未占有軌道を持ちますので、陽イオンへ流れる電子を横取りできます。したがってイオン結晶は水に溶けます。 イオン結晶の電子分布は陽イオン原子に幾分大きな電子密度、陰イオンに幾分小さな電子密度が期待される(電子移動)。 イオン結晶は電気良導体である(イオン結合は未占有軌道電子を含む)。 イオン結晶は高融点をもつ(大きな電子対破壊エネルギー)。 余談:イオン結晶は融点が高い。しかし、水に簡単に融けてしまう。融点の高いことは強い結合力を示すが水に簡単に融けるということは結合力が弱いことを示します。この一見相反する特性がイオン結晶をわからなくしてきた最大の問題でした。干すと元のイオン結晶に戻ります。これは陰イオンの生成されやすさと、酸素原子が2個の電子を完全に吸収できるほどの能力がないことと関連します。
陽イオンおよび陰イオンアルカリ金属原子およびアルカリ土類金属原子のイオン化ポテンシャルの絶対値が小さく1価および2価の陽イオンになりやすい。ハロゲン原子およびカルコゲン原子は有効核電荷がかなり大きく電子をこれら原子が取り込めるので1価および2価の陰イオンになりやすい。 ここで注意が必要なのは、イオン結合強度は電子の放出しやすさおよび電子の受け取り能力で決まってくることである。
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