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これまでの化学結合は主に静的状態言い換えると平衡状態での原子原子間の結合を主に取り扱っているようにおもえます。したがって、その結合に至る過程はそれほど問題にされてきませんでした。しかし、静的結合関係からだけでは説明困難なものに出会ったのが不運であるというか幸運であるというか、伝導電子を取り扱う場合には必然的に結合過程そのものを問題にせざるをえません。その一方、静的状態で表現できない伝導電子の自由電子論からの取り扱いは簡略化そのものズバリです。これに関して調べるとおもしろいことが分かりそうだと考えたのが小生の不運の始まりです。小生の考えを披露する羽目に陥った次第です(ある程度の覚悟はしていたが、これほどとは......)。
1.3.2.2 未占有d、f軌道を介しての共有結合
原子軌道のエネルギー準位を下げます。
占有軌道電子が他の原子の占有軌道電子と電磁引力相互作用をうけるからその占有軌道のエネルギー準位は下がります。
原子のもつ電子配置を換えます。
多くの共有結合分子を合成するときの熱の発生の1因はこの電子配置置換によるといえるでしょう。メタン(CH4)を例に以下のべます。
1
未占有軌道を介しての結合は、一時的な原子配置2s2p2p2p(2s,sp,2p,2p)を炭素原子にもたらします。
2
再構成をうけ、元の原子配置2s22p2pになろうとする(2p電子の幾分かがs軌道に入る)。この過程で熱の発生を伴います。2p2p2pの構成は窒素でみられるように安定で、CHが必ずしも化学的活性といえなくなるからです。
水素と炭素の結合では、炭素2s電子の幾分かは2p電子となる(結合軌道はsp軌道で表現したほうがよさそう)。
3
この順序でメタンを作っていくと、途中で2s2p2p2pの電子配置(CH3)が作られます。これは分子として非常に不安定です(2sが1個しかない)。
この不安定なs電子(正確にはsp電子)を、世の中では、radical電子といっております(4sp電子のうちの一つといっておりますが)。
4
下図(3)からわかるように、占有2p(sp)軌道の影響をうけ、面に垂直方向の部分に正電荷特性をもつ部分を作ります。対称的安定性を考えた場合、この未占有軌道は2p軌道に類似しているとみるべきでしょう。
5
このradical電子と水素電子との電磁相互引力作用からメタン(CH4)ができます。

余談: 炭素原子の共有結合を論じる場合、sおよびp軌道を別々に取り扱うより、sp混成軌道で考えたほうがわかりやすい。しかし、この混成軌道のみで説明しようとすると、一酸化炭素がなぜ安定であるのか説明が困難となります。一酸化炭素では炭素原子に2s22p2p電子配置を作ります。これは原子単独の電子配置と同じです。したがって一酸化炭素は安定であるといってよいでしょう。
1.3.2.1
未占有p軌道を介しての共有結合
をのべます。
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