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1.2.4原子の性質
 
 

物性に関連する原子特性は、特に原子価電子と外界との作用により決まる性質を意味します。原子価電子が存在している軌道からその電子を外界へ取り出しやすいかどうかは、物性を明らかにする上で重要な情報です。この特性はイオン化ポテンシャルとして表されます。

原子の一般的性質としてハンドブックなどに記載されている性質は、化学結合半径(イオン結合、共有結合、金属結合)、密度、融点、沸点、デバイ温度、融解熱、熱膨張係数、比電気抵抗およびその温度係数、帯磁率、ヤング率などが揚げられます。これら性質は原子というより固体の性質といったほうがよく化学結合抜きに論じることはむずかしい。また、原子の特性として電気陰性度が揚げられます。電気陰性度は中性原子が電子を原子内に取り込む能力をしめします。この値の解釈は単純ではありません。原子軌道の項でのべたことからあきらかなように、原子軌道のもつ電磁気相互作用が電子取り込み能力を決定するといえます。しかし、原子は電子をもつ軌道のみで構成されておりません。その外側にも電子を持たない軌道(未占有原子軌道)をもちます。この未占有軌道は電子を取り込む能力をもっています(電子の電荷を持たないプラス電極に相当する)。残念なことに、この未占有軌道の能力まで考えて現在の電気陰性度は表示されていません。未占有軌道まで考慮すると電気陰性度は説明できます
 

イオン化ポテンシャルとは中性の原子から電子を外部に取り出すに要するエネルギーを意味します。各原子の第一行に示されている値は電子一個を取り出すに要するエネルギー(第一イオン化ポテンシャル)を示しています。

イオン化ポテンシャルの値が小さな原子ほど原子価電子を外界に飛び出させやすいといえます。アルカリ金属原子のイオン化ポテンシャル値は、酸素などを原子オーダーに近づけるだけで原子価電子を飛び出すことを意味します。この電子の飛び出し易さの故に伝導電子が発生します。

イオン化ポテンシャルの値が大きい原子ほど原子価電子を外界に飛び出させ難いといえます。
 
 
原子のイオン化ポテンシャル(単位eV)
H He
13.598 24.48
Li Be B C N O F Ne
5.392 9.322 8..298 11.260 14.534 13.618 17.422 21.564
Na Mg Al   Si P S Cl Ar
5.139 7.646 5.986 8.151 10.486 10.360 12.967 15.759
K Ca Sc Ti V Cr Mn Fe Co Ni Cu Zn Ga Ge As Se Br Kr
4.341 6.133 6.54 6.82 6.74 6.766 7.435 7.87 7.86 7.635 7.726 9.394 5.999 7.899 9.81 9.752 11.814 13.999
Rb Sr  Y Zr Nb Mo Tc Ru Rh Pd Ag Cd In Sn Sb Te I Xe
4.177 5.695 6.36 6.84 7.099 7.099 7.28 7.37 7.46 8.34 7.576 8.993 5.786 7.344 8.641 9.009 10.451 12.130
Cs Ba La*1 Hf Ta W Re Os Ir Pt Au Hg Tl Pb Bi Po At Rn
3.894 5.212 - 7.0 7.89 7.98 7.88 8.7 9.1 9.0 9.225 10.437 6.109 7.416 7.289 8.42 9.5 10.748
Fr Ra Ac*2
4.0 5.279
 
La Ce Pr Nd Pm Sm Eu Gd Tb Dy Ho Er Tm Yb Lu
5.577 5.47 5.42 5.49 5.55 5.63 5.67 6.14 5.85 5.93 6.02 6.10 6.18 6.254 5.426
Ac Th Pa U Np Pu Am Cm Bk Cf Es Fm Md Lr No
6.0 6.95 6.08

 
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